◇「Japan Expo 2023」とは
「Japan Expo」(以下、ジャパンエキスポ)は、毎年フランスのパリで開催される、日本文化と世界のエンターテインメントのイベントです。2000年に第1回を開催以来、マンガ、アニメ、ゲーム、食、音楽、コスプレ、伝統文化、観光、教育・研修などを取り上げ、日本文化の様々な側面を愛する人々が一同に会する祭典となっています。年齢や性別も関係なく、誰もが楽しめるイベントの上、来場者の多くはコスプレが大好きなため、自分の好きなキャラクターになりきって過ごすことも魅力の一つです。
今回、コアミックスSMAC編集課のローズも、096k熊本歌劇団に同行してジャパンエキスポに行ってきました!
今年のジャパンエキスポは、25万人以上もの来場者を記録するほどの大盛況。来場者は、多くのブースやイベントステージで催しが繰り広げられる中、様々な日本文化のプログラムを楽しみました。
そして、今年のジャパンエキスポは、コアミックスにとっても特別なものでした。 それは、フランスの漫画ファンに親しまれているコアミックス取締役で漫画家の北条司が名誉ゲストとして招待されたこと、そして、コアミックスが運営し、熊本を拠点に活動する女性だけの劇団「096k熊本歌劇団」がヨーロッパでデビューを果たしたからです!
◇096k熊本歌劇団がヨーロッパデビュー
7月13日と15日には、ジャパンエキスポのメインステージ「ICHIGOステージ」で、096k熊本歌劇団の代表舞台『前田慶次 かぶき旅~肥後の虎・加藤清正~編』を上演しました。
また、7月14日と16日には、メイン会場の中央に位置する「SAKURAステージ」でアニソンメドレーを披露し、会場を沸かせたのでした。
-7月14日と16日の「SAKURAステージ」の様子
「SAKURAステージ」は、メインステージに比べると収容人数は多くありませんが、ジャパンエキスポ会場内のメインホール中心に位置しています。世界でのアニソン人気を熟知している096k熊本歌劇団は、『シティーハンター』や『北斗の拳』などのアニメの主題歌を含む30分のアニソンメドレーを、今回のパフォーマンスのために特別に用意していました。さらに、熊本・阿蘇で撮影された096k熊本歌劇団の紹介動画とともに熊本の魅力も紹介。ダンスや和太鼓の演奏、殺陣と音楽を融合させた圧巻のステージとなりました。漫画と同様に、音楽も年齢や国籍を超えて愛される共通言語であることを改めて実感させられるほどの盛り上がりを見せ、最終日の2回目の公演では、観客からアンコールが出るほどの反響でした!
-7月13と15日の「ICHIGOステージ」の様子
漫画『前田慶次 かぶき旅』をベースとした舞台『前田慶次 かぶき旅~肥後の虎・加藤清正~編』では、今回のジャパンエキスポのためだけに特別な演出を加え、さらに劇中の映像にフランス語字幕と、物語のポイントや歴史上の人物の解説も入れました。さらに、ヨーロッパの観客への特別なおもてなしとして、ジャパンエキスポに長年参加している三味線ロックユニット「KUNI-KEN」と、日本で最も愛されているキャラクターの1つである熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」を特別ゲストとして呼び、観客を楽しませる演出も加えたのでした!
◇名誉ゲストとして招かれた北条司の登壇の様子
今回のジャパンエキスポでは、北条の作品『シティーハンター』『キャッツ♥アイ』『エンジェル・ハート』の原稿を展示するブースが設けられたほか、グッズの展示やフォトスポット、『キャッツ♥アイ』に登場する喫茶店を再現したエリアが作られました。そして、7月15日には北条の登壇イベントが実施され、ジャパンエキスポに訪れたファンに向けて直接話す機会もありました。
会場は人が溢れるほどの満席。そんな中、北条の登壇に先立ち、フランス人歌手ジャン=ポール・セザリが『ニッキー・ラーソン』(フランス版の『シティーハンター』)の主題歌を歌い、会場を盛り上げてくれました。 会場には、主人公・冴羽獠に扮したファンや、ヒロイン・槇村香の100tハンマーのレプリカを持参したファンもいました。そして、北条が会場に登場すると、観客は立ち上がり大きな拍手で迎えました。
北条は、これほど多くの人々が自分に会いに来てくれたことへの驚きと、自身の元に寄せられた作品への愛情に感謝を伝えることから語り始めました。そして、自身のキャリアの始まり、『シティーハンター』の誕生秘話、漫画家としての仕事で起こった山あり谷ありのエピソードを話し、会場を沸かせました。観客の大きな反応や歓声からも、『シティーハンター』の世界的な人気が窺えます。イベントの終盤では、世界的な現象として漫画の人気が今なお高まっていること、そして、海外に住む才能あるクリエイターがたくさんいて、彼らが漫画を描いていることに驚かされたことを語る場面もありました。最後に、10年前に創設された「世界サイレントマンガオーディション」の紹介ビデオが上映され、会場は温かな拍手に包まれ、イベントは締め括られたのでした。
◇『L’096k aime la France, la France aime l’096k !』
今回のジャパンエキスポでは、多くの来場者、そしてその他の出演者からの愛とサポートを体験する機会に恵まれました。終演後の温かい歓声と拍手だけではなく、096k熊本歌劇団の団員が会場を歩いていると、「演技を見て好きになりました!」と多くの方が声をかけてくれたのです。
また、出演者同士でもお互いを応援するかのような気遣いが見られ、それも感動的でした。フランスは、情熱と愛の国というイメージがあります。この国の日本文化に対する愛がひしひしと伝わってきて、またいつか戻って来たいと強く思うほどの体験の連続でした。